カリフォルニアはハワイではない

翻訳業を営みながらサンフランシスコ、LA、日本を往復する日々の中で見つけた小さな発見をつづります。

Taxiという単語の意外な使い方

日本出張を終えてアメリカに戻ってから一週間後、

正確には6日後に再度出張で日曜日に成田入り。

あまりにも過酷なスケジュールで体調を崩し、

微熱と鼻水に悩まされながら冷えピタ3枚張りで会議に挑む。

ビデオゲームを作る会社っていうのはこういう緩さが大好きだ。

取引先の会社のスタッフが冷えピタを箱ごと持ってきてくれる。

レギンス、Tシャツ、パーカー、スリッパという

とても会議通訳者とは思えない格好でも全然OK。

微熱下がらぬまま4日の会議を終え、

日曜日には早くもアメリカへの帰路に就くことになったのだが、

ようやく熱が落ち着いたと思ったら、なんと出発当日の

日曜日の午前中に若干の気持ち悪さと腹痛、そして下痢までもが襲ってきた・・・。

これはまさかの・・・・食あたりではないのか。

自分のタイミングの悪さを呪いたくなる。

成田に出発するまであと数時間、まるで良くなる兆しなし。

藁にもすがる思いで、親からもらったいつ使用期限が切れたのかも分からないような正露丸を飲む。

しかもそんなときに限って機内真ん中席・・・・・。チーン。終わった。

せっかくANAで機内ウィスキーでも飲みながら帰るはずだったのに。

食べるとトイレに駆け込む可能性大な上に、

真ん中席だから通路側の人に何度も迷惑かけるのも気が引ける。

そんなわけで、結局水だけを少しずつ飲むだけで9時間過ごす羽目になった。

とりあえず眠れもしないので、行きの飛行機で終わりまで見れなかった映画、

「Spotlight(日本語のタイトルは「スポットライト 世紀のスクープ」。あと5日後に公開予定らしい)」を見終える。
カトリック司祭の性的虐待事件と、教会全体のそれを闇に葬ろうとする姿を描いた実話に基づいた映画。これはパワフル。映画そのものよりもその元になった実話がすごい。

次に、キウェテル・イジョフォー、ニコール・キッドマン、ジュリア・ロバーツ共演の「Secret in their eyes(日本語タイトルは「シークレット・アイズ」、6月公開予定)を見る。

13年前に起きた殺人事件の真相を突き止めようとするがそこから驚愕の真実が明かされていく、という物語。最後にかけてなーるほどねー、という展開。キウェテルとニコールの大人な関係もなかなか面白い。

そして1本半観てもまだフライト残り5時間も残っているという悲劇。

が、ANAはかなり映画やビデオのセレクションが多いので助かる。

その中で、TOEIC990点満点の関正生先生の
「世界一わかりやすいTOEICテストの授業」(確かこんな題名だったかと・・・)シリーズのビデオを見つける。

リーディング、ボキャブラリー、文法、などのセクションに分かれている。

英語を使う仕事をしていると、自分の英語の理解力を確かめると共に、

吸収できていないものは学ぼうという気持ちになる。

ビデオで使われていた問題は私にとっては容易なものが多かったが、

講座の中で関先生がおっしゃられていた言葉の成り立ちを考える、

言葉の意外な使い方、など興味深い部分もあった。

今度また機会があったらTOEIC受けてみようかな~。

そんなことを考えながらうとうとしていると、

ふと自分の座席の目の前に面白い単語を発見。

"Stow and latch handset during Taxi, Take off and Landing."

地上走行中及び離着陸時にはコントローラーを収納してください」

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Stowには「収納する、しまい込む」といった意味があるが、

それよりも面白かったのは「Taxi」という単語だ。

「During taxi」で「地上走行中」になるなんて知らなかった。

タクシーは乗り物のタクシーであって、それだけだと思っていた。

アルクによるとTaxiは自動詞、他動詞両刀の動詞であり、

taxi

【自動】
  1. 〔航空機が〕地上走行する、陸上をゆっくり進む
  2. タクシーで行く[運ばれる]
【他動】
  1. ~をタクシーで送る[運ぶ・連れて行く]
  2. 〔航空機に〕地上走行させる

 

だそうだ。

関先生のTOEICの授業ビデオで「Landing」という単語が
国際線のフライトでよく使われる、とちょうどおっしゃられていたが、

それよりもこの「Taxi」という身近な言葉の意外な使い道に

目から鱗な一瞬であった。

 

さて、パックも乾いたし、そろそろ早めの就寝としよう。